森に暮らす人は立派な街に憧れる
そこに住む人は花園の森に憧れる
生活に困った人は出家を目指している
肥えて酔った人は在家を目指している
完全で円満な森林であるのなら
用もないのに鳥たちが来て飛び回る
心安らげる快適な場所ならば
声をかけずとも人々が集ってくる
その森で生まれ育った子猿でさえ
果物が尽きれば他所へと去ってゆく
破滅の時に天塩にかけた息子でさえ
他所の方へと逃げ出してゆくのである