2009.09.22

仏教とは非暴力と縁起である。

仏教とは何か。それは思想と実践との二つで説明できます。仏教とは実践としては非暴力を実践するものであり、思想としては縁起の思想、これが仏教です。

実践としての非暴力は利他を目的としています。悲の修習を究竟し、悲の力が最大限発揮される時、非暴力の目的とする、利他を実現できることになるのです。

このようなことを考えるのならば、自己よりも他者を大切にするというこの慈悲心こそが、非暴力の実践といえます。しかしながらこれは凡夫には難しいことであり、このように悲心の力で利他を為すことが出来ない段階では、他者を傷つけないこと、これが非暴力の実践ということになります。

それでは、何故そのような非暴力を実践すべきなのでしょうか。それは神や仏の意志であるからではありません。私たちが非暴力を実践するその最大の理由は、我々が望まないこの苦しみは、他者を傷つける罪業の結果起こっているから、だから他者を傷つけてはいけないのである、と他者に暴力を振るべきでないそのことの理由として、因果応報という縁起を説くことを通じて非暴力の根拠としているのです。

私たち自身の苦しみや幸せは他者に依存しています。自分の幸福は 他者に依存しているのですし、他者に懸っているのです。もちろん様々な原因や条件がそれを左右していますが、我々にとって主なもの、つまり人間の幸福や苦悩、これは私たちの周りの人間社会に依存しています。

そして人類全体の幸福とは環境に依存して成り立っているといえるでしょう。

互いにそれは相互依存の関係にあり、すべては他者に依存し成立するこの縁起の思想によって、環境へと関心が向き、社会全体へと関心が向くのです。

究極的には非暴力の実践は縁起思想をその根拠とするのです。このような思想と実践があるのです

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