2025.07.02

本日ダライ・ラマ法王猊下は、多くの民意による真摯な要請に応えて、ダライ・ラマの次期化身の継続的な化現の必要性について同意なされる勅書を発表されました

本日ダライ・ラマ法王猊下は、これまで歴代継続してきたダライ・ラマの化身の化現が今後も継続していく必要性があるか否かということについて勅書を発表されましたので、みなさまにお知らせ致します。

法王猊下の勅書によれば、2011年に次期ダライ・ラマの化身認定に関するガイドラインを発表されて以降、この14年間で多くの篤信の関係者の方々から、「今後もダライ・ラマの次世代の継続を希望する」という要望が多くあり、それらが不正なき手段で公正に決定されたものであることを確認された上で、今後みなさまのご意向通りに実現していくよう、ご自身でも希望を同じくされたい、とのことです。

私たちダライ・ラマ法王猊下の教えを仰いでいるすべての方にとって、たとえ今生が終りを迎えようとも、今後も私たちのために世々代々とご指導いただける、というこの御決意の表明は、みなさまにとっても大変嬉しいお知らせであると思われますので、全文を和訳して掲載させていだきました。

〔以下、ダライ・ラマ法王猊下勅書の和訳〕

既にみなさまご承知のことと思われますが、2011年9月24日に開催されたチベット伝統宗教者高僧会議における議論に際して、本土ならびに在外のチベット人のみなさま、チベットの伝統仏教に追随するすべてのみなさま、チベットやチベット人とご縁のあるすべての世界の皆様にはこれまでも繰り返し申し上げてきたように、「未来におけるダライ・ラマの次世代の継続の必要性について、既に1969年には、篤信のみなさまが民主的に決定すべきであると発表している」との旨を確認させていただきました。

またその時同時に「私自身が〔ダライ・ラマ第1世〕ジェ・ゲンドゥンドゥプ師と同年齢程度になった時期に、伝統仏教の高僧たちとチベット人をはじめとするご縁のある篤信の人々の間で議論をし、ダライ・ラマの化現譜の継承の必要性の是非を再検討した後に決定することとしたい」との意を表しました。

その後、本件に関して民衆間で議論するための機会がもたれなかったものの、今日まで14年間、伝統宗派の指導者たる高僧たち、チベット人行政機構における議会、特別委員会、公務員、また非政府団体、ヒマラヤ・モンゴル・ロシア地域にある地方僧院、中国本土などの漢人たち、アジアの仏教国の篤信の多くの方々、こうした多くの方々から「今後もダライ・ラマの次世代の継続を希望する」という旨の強い要請がその理由を合わせ寄せられ、公式な声明として発表されたものだけに留まらず、私信でもそのような要請を頂戴しております。特にチベット本土に残るチベット人のみなさまからは個人的にも公的にも、様々な通信手段を用い、大変多くの要請や伝言をいただきました。これらのダライ・ラマの次世代への継続の必要性に関する要望は、関係する人々の民意が、不正なき手段で公正に決議されたものであることを確認させて頂き、同時に、それが実現してゆくよう同じく希望いたします。

ダライ・ラマの化身認定法に関しては、以前発表した声明にも明らかなように、再臨者認定業務の責任の主たる所在は、ダライ・ラマ法王庁ガンデン・ポタン信託財団の執行役員たちに存在しており、また彼らが随時、チベットの伝統仏教の各宗派の指導者である高僧の方々、歴代のダライ・ラマに影と形のように従ってきた本誓を有する護法尊たちの助言を仰ぎながら、化身者の捜索・認定をこれまでの伝統に従って行うべきなのであり、それ以外に他の何人たりとも干渉できない状況にあることには全く変わりがないことについても合わせて皆様にはご留意いただきたく存じます。

ダラムサラにて、釈師比丘法師ダライ・ラマ・テンジン・ギャツォが、チベット暦2152年第十七ラプジュン木巳歳3月24日、西暦2025年5月21日に記す。善たらんことを。

(署名)

原文

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