2021.05.05

本学堂における重篤患者の治療費へのご支援のお願い

デプン・ゴマン学堂 寺務局長 ゲシェーラランパ・チャンパ・ドンドゥプ

平素はパルデン・デプン・タシ・ゴマン学堂における求道の僧徒に対して、さまざまな形にてご支援を賜り誠に有り難く厚く御礼申し上げます。

さて、本学堂では、学堂に在籍する僧侶のための福利厚生事業のひとつとして、僧侶たちが病気になった場合に医療費を支給しており、特に重篤な病気になった僧侶たちに、適切な病院にて充分な治療を受けるための継続的な支援を行うための体制づくりは本学堂のさまざまな事業のなかでも、最重要項目のひとつです。

本学堂では小規模の医務局を設置し、通常風邪や発熱などの軽症症状の僧侶たちに適切な治療を無償で提供し、近隣の住民に対して診療する場合でも、治療費の半額を学堂で負担しております。しかしこの医務局では重篤な症状などの治療はできず、より複雑で重病患者が出た場合には、チベット人亡命居留区のコミュニティ医院にて診察を受け、医師の指示に従って、適切な治療のために、近隣の都市の総合病院へ転移したり、救急搬送することとなっております。

重篤症状の患者の場合には、外部病院での診察費・治療費・入院費などが必要となり、当学堂ではその治療費を4ヶ月おきに診断書や領収書を添えて申請した場合には、学堂の各種の業務に当たる僧侶には全額を支給し、それ以外のすべての学僧に対して一律75%の支給しております。このたび4月末日締めにて、特に重篤症状にある僧侶80名を対象に、4カ月分として、1,906,212インド・ルピー(日本円・約280万円)を支給させていただきました。ひとりあたりの僧侶にかかった医療費としては最も高額80万ルピー(日本円・約120万円)から1,000ルピー(約15,000日本円)まで様々なケースがありますが、このたびは特にスポンサーも募ることもなく、僧院の予算にて支給させていただきました。(別添の写真をご参照ください)

本学堂ならびにチベット難民居留区内では治療が困難なケースもあり、また難民社会には健康保険制度もございませんので、近隣のインドの都市にて専門的な治療を必要とする場合も多いことも確かです。本事業は内容的にも非常に重要であり、今後は特に重篤症状の僧侶たちの医療提供体制の確保のための委員会を設立して十分な体制づくりを行なっていくことも緊急の課題であります。

本学堂ではこれまでこの多くは海外ツアーにおける寄付や各僧侶の家族や友人からの支援に依存しておりましたが、今日の世界的な感染拡大に伴い、これまで砂曼荼羅の制作ツアーなどに依存していた海外での文化交流事業収入が2020年度決算では約2000万ルピー(日本円約3000万)の収入減となり、学堂の財務状況は大変苦しい状況にあります。

取り急ぎ、日頃より本学堂への御浄志をご寄進いただいているみなさま、そして本学堂に対する篤信の在俗のすべてのみなさまを対象として、本事業へのご可能な限りでのご支援を賜りますようお願い申し上げます。みなさまからお寄せ頂くご支援は、眼薬を眼に注入するように慎重かつ清浄に取り扱わせて頂き、本学堂僧衆へ奉告させて頂きたく存じます。

2021年5月2日

デプン・ゴマン学堂 寺務局長
ゲシェーラランパ・チャンパ・ドンドゥプ


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