2006.09.22

金剛薩埵念誦法

vajrasattva

  三宝に私は帰依せん。
  一切有情を私は解脱させ、
  菩提の境地へ導くため、
  菩提心を正しく起こさん。

自らの頭頂にཔཾより蓮華が生起し、ཨより月輪が生起する。その上方に、ཧཱུཾより白き五鈷杵が生起する。五鈷杵の臍はཧཱུཾで荘厳され、そこから光明が放たれ、収斂した後に完きものとなる。

そこから金剛薩埵が生起する。御身は白く、一面二臂、金剛杵と金剛鈴を手にしている。明妃ヴァジラトーパは御身は白く、一面二臂、カルタリー(剪刀)とカパーラ(髑髏杯)をもって抱かれている。二人は正絹の衣と様々な宝飾で荘厳され、父尊は結跏趺坐され、その心臓部の月輪の上にཧཱུཾの白い文字がある。そこから光明が放たれて、自らと等しき智薩埵を勧請し、不二となる。

再び心臓部のཧཱུཾより灌頂の諸天を勧請し、一切如来たちがここに灌頂が与えられんことをと請願する。彼らは智慧の甘露に満ちた瓶を手にして語る。

oṃ sarvatathāgata abhiṣekata samaya śrīye hūṃ

このように灌頂し、御身は智慧の甘露に充たされ、阿閦が頭頂を荘厳する。

世尊薩埵よ、私と一切有情が為してきた罪障や三昧耶の堕落、破戒、
これらのすべてを、浄化し清浄なものと為し給え。

このような請願によって、心臓部のཧཱུཾから光明が放たれ、一切有情の罪障は浄化される。諸仏諸菩薩に歓喜し供養し奉る。彼らの一切の功徳が光明の形相で集まり、心臓部のཧཱུཾへと溶け込んでゆく。それにより威厳と勢力は円満となる。

oṃ vajrasattva samayam anupālaya. vajrasattva tvenopatiṣṭa. dṛḍho me bhava. sutoṣyo me bhava. supoṣyo me bhava. anurakto me bhava. sarvasiddhim me prayaccha. sarvakarmasu ca me cittaṃ śrīyaṃ kuru. hūṃ ha ha ha ha hoḥ. bhagavasarvatathāgatavajra mā me muñca. vajrī bhava mahāsamayasattva āḥ hūṃ phaṭ.

私は無知蒙昧で三昧耶に違犯し堕落した。師主よ、どうか救い給え。頭領にして金剛を持てる方、大悲を本性とする衆生の主に私は帰依する。

金剛薩埵は「善男子よ。汝の罪障と三昧耶の堕罪と破戒のすべてを浄化し、清浄とした。」と説かれた後、自らに溶け込み、自らの三門と金剛薩埵の身口意は無差別になる。


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