
チベットではソンツェンガンポ王の時代、日本では聖徳太子の時代から大乗仏教が伝来し、篤く三宝を敬い、慈悲深く調和の取れた他者のために奉仕できる菩薩の精神に則った価値観を大切にする文化が続いてきましたし、ソンツェンガンポ王や聖徳太子は古来観音菩薩の化身として信仰され、チベットではその系譜が現在のダライ・ラマ法王猊下まで継続していると考えられています。
チベットにしろ日本にしろこれまで何百年もの長きに渡り大乗仏教の菩薩の精神は、理想的な人間像と考えられ、そのことからもすべての如来の大悲心そのものが菩薩の姿をとって私たち人間を直接救済する観音菩薩は古来大変篤く信仰されてきた菩薩であると言えます。チベット人ならば観音菩薩のご真言は誰からも習わなくても子供の時から唱えることが出来ると言われるほどですし、今の日本でも観音菩薩が近所で祀られていない場所を探すのは極めて困難な位に観音菩薩は最も人気のある菩薩のお一人で、観音菩薩の功徳を説いている法華経の観世音菩薩品は「観音経」として宗派や僧俗を唱えられているお経のひとつということが出来ます。
しかし残念なことに、今日の日本で多くの方々が「観音経」の原文は親しみがない漢文なので意味が分かりづらく、また日本中のあちこちに観音菩薩が様々な姿でいらっしゃいますが、観音菩薩がどのような方なのか、そこにどのようにいらっしゃるのか、ということを実感として感じられない方々が多くなっていることも事実です。このようなことからも、このたび私たち仏教徒にとって教主釈尊が、この地上に再びお戻りになられた降臨大祭に因んで、今年の降臨大祭の特別法話会では、釈尊の教えを思い出しながら、観音菩薩へと思いを馳せるための機会とさせて頂きたく存じます。
本年はダライ・ラマ法王猊下の卒寿を記念する年でもあり、ゲルク派でも最も有名で日常的に唱えられているダライ・ラマ第七世ケルサン・ギャツォの観音菩薩礼懺文を、同郷のリタンの出身であり、現在日本で活躍していただいているゴペル・リンポチェにより解説して頂き、半日かけて観音菩薩についてもっと知って頂ければと存じます。
法話会で、講伝の伝授を授かりたい方には日本別院の現地で参加していただけますし、遠方や諸般の事情により広島までお越しいただくことが不可能な方々には、オンラインのウェビナー形式でご参加いただくことも可能です。釈尊のご縁日のこの素晴らしい機会に、みなさまとともに観音菩薩と大乗の精神について共に学ばせて頂ければ、幸いに存じます。
法話会の概要
- 事業名称:木巳歳降臨大祭特別法話会
- テーマ:「観音菩薩と大乗仏教」
- 開催日時:2025年11月9日(日) 13:00-16:00
- 拠所:真光院デプン・ゴマン学堂日本別院
- 講師:ゴペル・リンポチェ4世ゲシェーラランパ・ガワン・ニェンダー師
- 所依聖典:ダライ・ラマ7世ケルサン・ギャツォ著『一切勝者大悲影現聖観自在菩薩讃・大悲請願・利楽悲雨』ほか
- 開催形式:ハイブリッド方式(現地参加・オンライン)
- 参加費: 志納
- 注意事項:
- 木巳歳降臨大祭の特別法要は2025年11月11日(火)10:00に行われます。
- 本事業の趣旨にご賛同いただき、開催に際して施主を募集させて頂きます。
- オンラインではなく日本別院にて受法されたすべての方は、所依の聖典の講伝を正式に授かることができます。
- 本事業の収益はすべてデプン・ゴマン学堂の次世代の僧侶の育成のために使用されます。
- 本法話会で使用されるテキストはゲルク派のゲシェーの試験科目の課題テキストのひとつであり、現在のゲルク派の最も広く普及している観音菩薩に対する讃です。
参加方法
- 現地参加の方は、直接お寺までお越しください。お申し込みなどは不要です。
- またオンラインでのご参加の場合には、以下のリンクからご参加ください。
ウェビナーで参加する
志納料「観音菩薩供養志納料」のご納付について
仏教の伝統的な教義では、正しい法座は、主催する側も参加する側も、現世の報酬や権力や名声などのために行なってはいけないことになっています。また経済的な背景によって参加できたりできなかったりということを限定をしてはいけないことになっておりますし、聴聞する法に価格をつけること自体が好ましくありません。こうした理由から弊会では、法話会では、弊会施主会員のみなさまにスポンサーになってもらって頂くと同時に、参加資格を設けず最も正式な開催形式で法話会を開催するために、みなさまからの御志をお願いしております。
奉納金の使途:日本別院でお祭りしている観音菩薩への献花・献供、特別法話会の開催に必要な経費(参加者の喫茶軽食のお接待・配信システム使用料・現地配布資料の印刷費など)
志納料のお支払い
邦訳・開版の施主を募集
このたびの法話会にあたり、ダライ・ラマ7世ケルサン・ギャツォ著『大悲影現聖観自在讃 利楽悲雨』の和訳を作成し、今後施本として配布させて頂くために訳出・開版の施主を募集しております。詳しくは以下の記事をご参照の上、施主としてのご参加をご希望なされる方は、当ウェブサイトからお申し込みください。
訳経開版の施主募集について




