2024.03.10

本年木龍歳開運厄除祈願のうち初会・第二会が成満しました

当年木龍歳の厄除祈願のうち、当年に魂相に凶相が見られる方を施主として、日本におられる関係者のため、去2024年3月9日(土)の午前・午後に初会・第二会の法要がデプン・ゴマン学堂祈祷所において成満しましたのでご報告申し上げます。

チベット暦における魂相(བླ་རྡེག་)とは、過去世から積んできた無限の悪業の結果として、現世でのさまざまなことを実現するために邪魔をする魔物たちや逆縁によって、現世での障害がどの程度あり、それにどの程度苦しんだり、それを逃れることができるのか、ということを表しています。ここに凶相がある場合には、衰弱してしまった魂の力を復活させるための招魂法を行い、白傘蓋仏により退魔法を行い、無量寿経を読誦して、魂の力を堅固にする必要があります。

初会 招魂法を中心とする修法

招魂法(བླ་འགུགས།)とは、願主の身体から失われてしまいそうになった魂の力や、散乱してしまった魂の力を本来ある場所に呼び戻し、他の場所へと連れ去っていく魔物たちを諭して、心の貧しい魔物たちに施しをなし、悪戯をしないように諭す儀式です。僧侶たちはまずは本尊として生起して、最初に願主の身代わりとなる物質へと師・本尊・荼枳尼天・護法尊・守護尊たちを勧請した上で、そこで供物を捧げます。その上で諸仏たちから魔物たちへと命令をしていただき、願主の生命や魂の力を脅かすようなことを願主自身ではなくその生贄にするように命じます。その上でさまざまな護法尊たち、干支となる八卦や九星などの星天たちや八部衆に供物を捧げながら、それらを共同で諭し、魔物たちが願主たちを仏教を修行する場とは異なるさまざまなよくない場所へと連れ去ってしまうような悪戯をやめさせるようにします。その上で魔物たちが如来の教えをちゃんと聞き、正法の真実をきちんと考え、行者たちの意図を汲み取るように命令します。その上で「自分自身の身体に起こることを考えて、他者を傷つけるようなことはやめなさい。」と魔物たちが彼らが本来いる場所へ帰るように命令をします。最後に魔物たちが帰路について本来の場所へと戻ったことを確認して、最後に身体や生命が堅固になったものをさらに堅固にするために、諸尊に散華し供養して一連の法要は終了となります。

招魂法で魔物たちに与える生贄
デプン・ゴマン学堂祈祷所では、新型感染症の拡大とともに往来や連絡が困難となった世界各地の信徒のために本山デプン・ゴマン学堂のなかに設置されました。世界各国のさまざまな支部では行うことができないような法要をはじめ、毎日さまざまな儀式行うための専門の僧侶たちによって毎日さまざまな祈祷がなされています。

第二会 百四厄災消除法

仏教では、魔物には四種類あり死そのものである死魔・貪瞋痴の三毒を中心とする煩悩魔・善業を行うのを妨げる天子魔・輪廻そのものである蘊魔の四魔があり、この四魔を降伏し打ち勝ったた者が、仏位を実現し「阿羅漢」という境地を得ることができます。四魔を降伏することは、釈尊が成道の直前に見せられた「降魔」の行状として大変有名です。

しかしながら通常私たちはこの四魔に苛まれさまざまな苦しみや問題を抱えて生きています。そこで四魔を降伏することをこの地上で実際に行ってくださった仏教の教主釈迦牟尼如来のお力を借りて行う儀式に「百四儀軌」というものがあります。「百四供養」とは燈明を百燈、飯食の供物を百個、ツァツァ仏を百体、願主の身代わりに災難を受けるためのものを百体つくりそこに厄災を故意に発生させます。願主自身のもつ厄災の原因となる業を異熟させ、厄災の原因を先に消費させ、厄災が起こらないようにします。法要では三宝に供物を捧げ、魔たちにも彼らが滋養とするものを与えることで、死魔・煩悩魔・天子魔・蘊魔が邪魔をしないようにします。

百四供養の儀式は、干支が子年・巳年生まれの方全員の厄災の消除のためにチベット暦で勧められている法要で、今回の法要は主に本年度の厄除をお申し込みになられた施主の方々の依頼で行われたものですが、同時に一切衆生の安寧・仏法興隆を願って行われるもので、干支が子年・巳年生まれのみなさまはもちろんのこと、すべての方々がこうして正しい法脈を伝えて行も正しく行った僧衆たちがこうした法要を成満されたことを随喜し、私たちがこれから四魔を降伏するための糧となりますように、そのための法要が滞りなく行われて素晴らしき機会であった、と思われるとよいとされています。

本年度の厄除法要は、残り三会があり、そのうち二会については今月末ゴペル・リンポチェが日本にお戻りになられた後に行うこととなっております。また法要が終わりましたら、ご報告させていただきます。


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