
釈尊がはじめて地上で法輪を転じられた日に
本年の初転法輪大祭では、例年通り日本別院では当日法要がございますが、その前日・前々日に、以下の通り特別伝授会を開催させて頂くこととなりましたのでご案内申し上げます。
特別伝授会では、釈尊のすべての教えを実践するための要点をひとつにまとめた菩提道次第をダライ・ラマ第3世ソナム・ギャツォ(1543–1588)が要約した『菩提道次第指南・黄金精髄』の講伝をゴペル・リンポチェに授けていただくこととなりました。『菩提道次第指南・黄金精髄』は、内容的には、ダライ・ラマ第3世がゲルク派の宗祖ジェ・ツォンカパ大師の道次第論の要約版として1571年にモンゴルに出向く前にデプン大僧院にて執筆して成立したものです。それ以来、ゲルク派の最重要の根本聖典「八大道次第論」のひとつとして、今日までその講伝は脈々と継承されてきています。
ダライ・ラマ第3世はデプン大僧院の僧院長を務め、モンゴルに渡りアルタンハーン(1508-1582)から「ダライ・ラマ」という法王号を授かったことはよく知られています。また東チベット・カム地方最大のゲルク派最大の僧院「リタン大僧院」の創立者でもあり、ゴペル・リンポチェも歴代リタン大僧院の僧院長を務められた化身ラマの系譜のお一人で、このたびみなさまにお授けいただく、講伝はリンポチェが当代のダライ・ラマ第14世法王猊下から直接伝授を拝領したものです。これまで弊会では、月例の法話会にて、ジェ・ツォンカパ大師の広・略・抄論の道次第論を講読して参りましたが、今回2日間で講伝を行う『黄金精髄』は、ジェ・ツォンカパ大師の『道次第広論』『道次第略論』を要約しながら、『道次第抄論』を読み進めていくという形で執筆されております。分量的にもそれほど広大なものではないために、毎日読み直し、朗読することで『道次第広論』全体の内容を一日で観想して修習するのに極めて有益なものと思われ、そのタイトルにあるように仏の境地である黄金を生み出す元となります。
道次第は、その冒頭に、「すべての如来たちの教えの核心であり、過去・現在・未来のすべての聖者たちが歩むべき唯一の道であり、龍樹・無着といった大学者たちの伝統であり、菩薩たちの伝統であり、その実践の次第を不足なく結集させたものである」と説かれるように、ひとりの人間が正しい善知識に師事し止観双運の境地を実現し、如来の境地を実現するまでの全貌を明らかにするものです。このため、道次第の全編を知る、ということは、釈尊のすべての転法輪を知るということにほかなりません。
このたび日本の皆様に釈尊が初転法輪をなされたその日に、そしてダライ・ラマ第14世法王猊下の卒寿奉祝事業の一環として、これまで一部しか日本で紹介されていなかった『菩提道次第指南・黄金精髄』を全編を和訳し、このこの由緒正しい法縁を共有させて頂きたいと思います。
万障繰り合わせの上、みなさまご参集くださいますようお願い申し上げます。
概要
- 事業名称:木巳歳転法輪大祭特別伝授会
- 日時:
- 2025年7月26日(土)13:00-16:00
- 2025年7月27日(日)10:30-12:00 / 13:30-16:30
- 拠所:真光院デプン・ゴマン学堂日本別院
- 講師:ゴペル・リンポチェ・ガワン・ニェンダー師
- 所伝の法脈:
- ジェ・ツォンカパ・ロサンタクパ著『菩提道次第略抄』
- ダライ・ラマ第3世ソナム・ギャツォ『菩提道次第指南・黄金精髄』全26葉
- 参加費:志納
- 注意事項:
- 本事業の趣旨にご賛同いただき、開催に際して施主を募集させて頂きます。
- 講伝とは、ある経本が執筆された時に著者が弟子に講義したその声の伝統を師資相承と受け継がれきたものを受者にお授けすることを意味しています。正式に講伝を行うためには、実際に道場にて師僧が聖典を読み聞かせる必要があるため、受者はその声を直接耳で聞かなければなりません。このためハイブリッド方式で開催することはできませんのでその旨ご了承ください。
- 本事業の収益はすべてデプン・ゴマン学堂の次世代の僧侶の育成のために使用されます。
参加登録
受法をご希望なされる方は、経本などの印刷・配布などの準備のため、以下のフォームのご記入いただき参加登録をお願い申し上げます。