2009.08.17

無始

仏教では「無始時以来」とか「無始以来」とかいう表現が沢山でてきます。

仏教は創造主たる全知全能の神というものを立てずに、すべては縁起しているという考えをベースにしていますので、仏教では「始まりがない」ということが極めて重要になってきます。

神が粘土をこねるように人間を使って創造したのでもないし、「はじめに言葉ありき」という考えでもないのが仏教の特徴です。仏教ではこの世界や輪廻には「はじまりがない」「無始」としています。

輪廻にははじまりがないからこそ、すべての生きとし生けるものが我々の家族であった可能性があるのであり、ゴキブリでも毒蛇であっても、昔自分たちの母親であった可能性があるということになるのです。同様に輪廻にははじまりがないからこそ、我々には無限の可能性があるのです。過去に我々はあらゆる種類の悪業を積んできたということになります。その結果、現在のさまざまな問題や苦悩が起こっていると考えるのです。では「はじまり」がないとすると「終り」はどうでしょうか。「終りがあるのかどうか」は気になりますが、次回のお楽しみに。

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