己を捨てて人をたて


Created: 2018-03-13 Last updated: 2018-03-14 Author:LOBSANG DROLMA

「教えるべきことは、すべて教えました」

インドに戻られる前に、ゲンギャウ先生がぼそりとおっしゃいました。その言葉を聞いた時、「いえ、まだ学ぶことがたくさんあります」と答えたのですが、いま考えると、ゲンギャウ先生がおっしゃっていたことは正しいなと思います。ゲンギャウ先生が私たちに教えてくださったこと。良いことをして、悪いことはやめなさい。それに尽きると思います。

チベットのお坊様方の説法を聞いていると、教えにブレがないのがよくわかります。宗派によって用いるテキストの違いや、聴聞者に合わて難易度の違いはありますが、基本的に説いておられることは同じです。

仏教では無我が説かれます。しかし、煩悩にまみれ、悪業をつんでいると、結局我が強まるだけで、無我からどんどん離れていってしまいます。だから「良い心をもちなさい」となるんですね。

「もしある人が慈愛に満ち、煩悩も我執もない人ならば、たとえ『空性を理解していない』と言っても、空性を理解しているでしょう。反対に『空性を理解しました』といくら言っても、すぐ怒ったり嫉妬したりする人は空性を理解していないでしょう」

という話を、カギュー派のお坊さんが話しておられるのを聞きました。心は目で見えませんが、行動から垣間見ることはできますね。

でも、せっかく先生が素晴らしい教えを授けてくださっても、すぐに忘れてしまいます。小さなことですぐ怒って、嫉妬して、悪口を言ってしまいます。不善の行いを断つというのは、本当に難しいです。だからこそ、リンポチェやアボさんの行いをお手本にしながら、何度もなんども教えを聞いて、心になじませていかないといけないですね。

出来の悪い弟子を、どうか先生が見捨てずに見守ってくださいますように。