EP0308 仏教の根本実践「非暴力」


作成日: 2006-11-04 最終更新日: 2016-09-20 作成:野村 正次郎

「仏教とは何か」これはそれは思想と実践との二つで説明する事ができます。実践としては非暴力、思想としては縁起思想です。

実践としてのこの非暴力の核心は、“悲”を根本とする教えであるからこそ、非暴力の実践が有るというこの関係です。悲の修習を究竟して、悲の力が最大限発揮される時に、非暴力というものが目的としている、利他を実現することになります。このようなことを考えるのならば、他者を利することのみをして、自己よりも他者を大切にするというこのことこそが、非暴力の実践といえます。

この様に悲心の力で利他を為す事が出来る前の段階では、他者を傷つけないこと、これが非暴力の実践です。

何故そのような非暴力を実践すべきかと言えば、神や仏の意志であるからというのではなく、非暴力を実践する理由は、我々が望まないこの苦しみが、他者を傷つける 罪業の結果起こっているから、だから他者を傷つけてはいけないのである と、他者に暴力を振るべきでないそのことの理由として、因果応報という縁起を説くことを通じて非暴力の根拠とするのです。

更に自己の苦楽は他者に依存してると言えます。自分の幸福は 他者に依存し他者に懸っているのです。それは様々な因縁に依存するのは確かですが、しかし様々な因縁の中で我々にとって主なものは、人間の幸福や苦悩 それは人間社会に依存しています。同様に人類全体の幸福は環境に依存しています。お互いにそれは相互依存の関係にあり、すべては他者に依存し成立するこの縁起の思想によって、環境へと関心が向き、社会全体へと関心が向くのです。究極的には非暴力の実践は縁起思想をその根拠とするのです。このような思想と実践があるのです