Last Updated: 2009.08.17

第4章 孤立確認の規定

他学説の否定

ある人が言う、「事物の基体孤立であれば、事物の孤立である」と。声、主題。事物の孤立であることになる。事物の基体孤立であるから。遍充承認済。「不成立」ならば、声、主題。事物の基体孤立であることになる。事物の定義基体であるから。原帰謬で「その通り」ならば、声、主題。事物の孤立ではないことになる。事物とは別異であるから。

ある人が言う、「事物の対象孤立であれば、事物の孤立である」と。実用性のあるもの、主題。事物の孤立であることになる。事物の対象孤立であるから。遍充承認済。「不成立」ならば、実用性のあるもの、主題。事物の対象孤立であることになる。事物の定義であるから。原帰謬で「その通り」ならば、実用性のあるもの、主題。事物の孤立でないことになる。事物と同一ではないから。「不成立」ならば、実用性のあるもの、主題。事物と同一ではないことになる。事物と別異のものであるから。「不成立」ならば、実用性のあるもの、主題。事物と別異のものであることになる。定義であるから。「不遍充」ならば、遍充は有ることになる。事物と同一であれば、定義対象である筈であるから。「不成立」ならば、事物、主題。(x)と同一であれば、定義対象である筈であることになる。(x)は定義対象であるから。

ある人が言う、「『壺と同一である壺』というこれが壺の孤立である」と。壺と同一である壺、主題。壺の孤立ではないことになる。壺と同一ではないから。「不成立」ならば、壺と同一である壺、主題。壺と同一ではないことになる。壺と述語等価遍充ではないから。「不遍充」ならば、壺、主題。(x)と同一であれば、(x)と述語等価遍充であることで遍充されることになる。(x)は人無我であるから。先程の「不遍充」の箇所で「証因不成立」と言うならば、壺と同一である壺、主題。壺と述語等価遍充ではないことになる。(x)であれば、壺であることによって遍充され、壺であれば、(x)であることによって遍充される、というこの二つ〔の遍充関係〕がそれぞれ無いからである。「不成立」ならば、つぼと同一であるつぼ、主題。(x)であれば、つぼであるという遍充とつぼであれば(x)であるという遍充との二つはそれぞれ無いことになる。つぼであれば、(x)であることによってという遍充が無いからである。「不成立」ならば、金の壺、主題。壺と同一である壺であることになる。壺であるから。遍充承認済。「不成立」ならば、金の壺、主題。壺であることになる。腹部が隆起し、底が収縮し、水を運ぶという実用性のあるものであるから。「不遍充」ならば、遍充は有ることになる。「腹部が隆起し、底が収縮し、水を運ぶという実用性のあるもの」とは「壺」の定義であるから。先の箇所で「その通り」ならば、金の壺、主題。壺と同一である壺ではないことになる。壺と同一ではないから。「不成立」ならば、金の壺、主題。壺と同一ではないことになる。壺と別異であるから。「不成立」ならば、金の壺、主題。壺と別異であることになる。金の壺であるから。

ある人が言う、「『壺と同一』というこれが壺の孤立である」と。壺と同一、主題。壺の孤立ではないことになる。壺と同一ではないから。「不成立」ならば、壺と同一(主語)は、壺と同一ではないことになる。壺と別異であるから。「不成立」ならば、壺と同一、主題。壺と別異であることになる。常住であるから。「不成立」ならば、壺、主題。(x)と同一は常住であることになる。(x)は基体成立であるから。

ある人が言う、「『壺の孤立』というこれが壺の孤立である」と。壺の孤立、主題。壺の孤立ではないことになる。壺ではないから。「不成立」ならば、壺の孤立、主題。壺ではないことになる。事物ではないから。「不成立」ならば、壺の孤立(主語)は、事物ではないことになる。常住であるから。「不成立」ならば、壺、主題。(x)の孤立は常住であることにある。(x)の孤立は有るから。「不成立」ならば、壺、主題。(x)の孤立は有ることになる。(x)は基体成立であるから。

ある人が言う、「壺ではないものから孤立していれば、壺の孤立である」と。金の壺と銅の壺との二つ、主題。壺の孤立であることになる。壺ではないものから逆になっている(*孤立している)から。遍充承認済。「不成立」ならば、金の壺と銅の壺との二つ、主題。壺ではないものから孤立していることになる。壺ではないものとは逆のものであるから。「不成立」であれば、金の壺と銅の壺との二つ、主題。壺ではないものとは逆のものであることになる。壺であるから。原帰謬で「その通り」であれば、金の壺と銅の壺との二つ、主題。壺の孤立ではないことになる。壺とは別異のものからは孤立していないから。「不遍充」というならば、壺、主題。(x)と別異のものから孤立していなければ、(x)の孤立ではないことによって遍充されることになる。(x)は(x)と別異のものからの孤立しているから。「不成立」ならば、壺、主題。(x)は(x)と別異のものから孤立していることになる。(x)は無我であるから。先の「不遍充」とした箇所で「証因不成立」と言うならば、金の壺と銅の壺との二つ、主題。壺と別異のものからは孤立していないことになる。壺と別異であるから。

ある人が言う、「壺と別異のものから孤立していれば、壺の孤立である」と。兎角、主題。壺の孤立であることになる。壺と別異のものから孤立しているから。遍充承認済。「不成立」ならば、兎角、主題。壺と別異のものから孤立していることになる。壺と別異ではないから。「不成立」ならば、兎角(主題)は壺と別異ではないことになる。壺と異なっていないので。「不成立」ならば、兎角、主題。壺と異なっていないことになる。確定無であるから。原帰謬で「その通り」ならば、兎角(主語)は、壺の孤立ではないことになる。壺と同一でないものから孤立していないので。「不遍充」ならば、壺、主題。(x)の孤立であれば、(x)と同一でないものから孤立していることによって遍充していることになる。(x)は(x)と同一であるから。

ある人が言う、「『兎角』というこれは壺と同一でないものから孤立している」というならば、兎角、主題。壺と同一でないものから孤立していないことになる。壺と同一でないものとは逆のものではないから。「不成立」ならば、兎角、主題。壺と同一でないものとは逆のものではないことになる。壺と同一ではないから。「不成立」ならば、兎角、主題。壺と同一ではないことになる。無であるから。

自説の設定

「壺の孤立」は設定可能である。「壺」がそれであるから。「壺の孤立」と「壺と同一」との二つは述語等価遍充である。基体成立ならば、(x)が(x)の孤立であることによって遍充され、基体成立ならば、(x)は(x)と同一であることによって遍充されるから。「不成立」ならば、基体成立ならば、(x)は(x)と同一であることにより遍充されることになる。基体成立ならば、(x)は(x)と別異ではないことによって遍充されるからである。

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