作成日: 2015-06-19 最終更新日: 2015-06-19 作成:野村 正次郎

【死・空・光明への扉】

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Untitled. Sam Francis. 2012 Sam Francis Foundation, California / Artists Rights Society (ARS), NY

ナーガルジュナの『中論』には次のように説かれています。

何であれ縁起しているもの、それを我々は空であると説く。
それは依存して措定されたものであり、これだけが中道なのである。

縁起していない法は如何なるものも存在しないが故に、
それ故に、空ではない法は、如何なるものも存在しないのである。

この『中論』の偈頌は極めて有名なものであり、仏教思想を学んでいく上で、難解であるが外してはならないのが、縁起と空に関する思想です。

縁起と空について思想は、仏教の根本思想であるにも関わらず、我々日本人にとってはそれほど理解しやすいものではありません。何故ならば、それをめぐる議論にスタンダードな伝統的な解釈がなく、中観思想や仏教論理学の伝統もないこの国では、まずは論理的に空思想のさまざまな側面を考える手立てがなかなかないからであると思われます。

チベット仏教の最大の特徴は、空思想およびその論理学が、いまも生きた伝統として継続しているところにあります。ゲルク派の宗祖ジェ・ツォンカパ・ロサンタクパは、ナーランダー僧院などのインドの大乗仏教僧院など伝統を踏まえ、高度な論理学・認識論、唯識・中観思想といった極めて哲学的な思考に基づき、すべての仏教の教義を統合し、ひとりの人間がひとつのシステムとして再構築しています。ツォンカパは空思想をベースに、他の追随を許さない圧倒的にシステマティックな教義体系を再構築し、そのエッセンスを継承したツォンカパの空思想は、現代ではダライ・ラマ14世法王や弊会に引き継がれています。

このたび弊会会員有志から過去に私が全国曹洞宗青年会の会報に書いた原稿を解説してほしいとのご依頼を賜りました。これまでチベット仏教の偉大なるラマたちに直接接し聞いてきたこと、それを私なりに日本人としてどのように受け止め、それはこの日本でどのような意味をもっており、その思想それ自体の可能性はどのようなものであるのか、それをGOMANG HOUSEで僧侶のみなさまをお世話をする方々、気軽にお話しさせていただきたいと思います。

Gomang House Night Seminar: 死・空・光明への扉

  • 「死・空・光明への扉〜ツォンカパの空思想とその修習法」
  • 開催日時:2015年12月11日(金)18:00-20:30〜6回(最終回)
  • 開催場所:GOMANG HOUSE TOKYO(予定) 港区高輪2-1-4-102
  • 講師:野村正次郎(弊会代表理事)
  • 参加費:1回3500円(学生は無料)
  • 内容:
    1. インド・チベットにおける空の思想史
    2. ジェ・ツォンカパの生涯と空思想
    3. ツォンカパの空思想の論理構造
    4. ツォンカパの空思想に基づく仏教の再構築
    5. 空思想をベースとした修行方法について
    6. ツォンカパの空思想の現代的意義

参加申込フォーム

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野村正次郎 Shojiro Nomura

1558488_10201393691427149_1369653914_n1971年、広島県生まれ。早稲田大学第一文学部卒、早稲田大学大学院博士後期課程単位取得退学。作曲を佐藤慶次郎に師事。在学中より、ケンスル・リンポチェ・テンパ・ゲルツェン師に支持し共同で文殊師利大乗仏教会を創設。日本学術振興特別研究員、大谷大学真宗総合研究所研究員を経て、現在、弊会代表理事。
http://ci.nii.ac.jp/nrid/9000004311312