
2025年11月23日(祝)、大本山大聖院にてチベット密教祭が行われました。この行事は2000年同月同日にデプン・ゴマン学堂第77代管長スンチュ・ケンスル・リンポチェ・ツルティム・プンツォ師が本山デプン・ゴマン学堂の職衆を伴って来日され、翌年弊会の創立者であるゴマン学堂第77代管長ハルドン・ケンスル・リンポチェ・テンパ・ゲルツェン師が2001年に怖畏金剛尊の息災護摩供を行われて以来、本年で25年目の記念すべき法要となりました。
勤労感謝の日である11月23日は宮島の紅葉シーズンで、1年間でも大聖院でも最も参拝者の多い日となります。法要のあたっては、ゴペル・リンポチェから今年でこの法要が25年目になることを紹介させて頂き、「これから私たち僧侶たちは本尊・如来・菩薩・護法尊・日本チベットの八百万の神々をこの空の上にお招きして、みなさんをはじめ世界中の人々が平和で安心して幸せで楽しく暮らせるようにお祈りします。これまで毎年お祈りしていますが、いまも世界中では紛争や争いごとは絶えず問題だらけです。みなさまも一緒に是非世界平和をお祈りしましょう」とお話しがあり、法要がはじまりました。
参列者のみなさまや観光客のみなさまもそれぞれ添護摩木に各々の願いごとを書き、それを大聖院の副住職の吉田大裕師が一本ずつ丁寧にお祈りをしながら、日本の大柴燈護摩供と折衷方式で供養されていきます。前日に弥山本坊から下山して来られた市川宗親師も今回この法要の職集を務められるのははじめてですが、事前にチベットの薬草などを入れて成就した水をかけながら檜葉を適宜焚べていかれながら、日頃ご祈祷をされている本尊三鬼大権現や虚空蔵菩薩のいらっしゃる弥山山頂までの煙の流れを作っていかれました。
法要が終わってからは、ダライ・ラマ法王猊下に直接加持を受けた赤い紐のお守り(スンドゥ)をゴペル・リンポチェがお参りされているみなさまお一人ずつ結んでいかれます。なかには何年も前から毎年この日に参加されて、腕には何本もスンドゥを巻いたままにされている方々もおられました。
安藝の宮島、厳島の主尊市杵島姫命の本地仏は観音菩薩であり、宮島自体は観音菩薩が伏せられたお体であるという説もあるくらい、すべての如来の大悲心が菩薩の姿で現れた観音菩薩が下さったこの日本・チベットのみなさまとのご縁は、世代を超え、さまざまな民族や言語の違いを超え、21世紀初頭から四半世紀毎年同じ場所同じ日で法要を継続させていただけています。
来年2026年は、観音菩薩の化身とされているダライ・ラマ法王猊下が日本でこの時期にこの場所ではじめて密教の伝授を行われてちょうど20年の記念すべき年となります。それまで毎月8日は弥勒菩薩の供養を欠かさず行いならが、来年2026年11月23日向けて、また一年しっかりと準備させて頂きます。みなさまと来年一緒にお祈りの時を共有させて頂ける機会をもてますよう心待ちにしております。
















