Last Updated: 2020.03.21

シリン・エバディ氏から寄せられたメッセージ

Message from Shirin Ebadi, Nobel Peace Prize (2003)

今回の広島国際平和会議に参加できないことを大変に残念に思います。みなさまが楽しく議論され、よい成果を達成なされることを期待しております。

私は、平和を維持するためには必ず二つの原則に基づいていないといけないと思っています。それは民主主義と社会的正義にほかなりません。もしそれらが存在しないのなら、たとえ無言であっても、そこに平和はありません。

民主的ではない政府が作り出す沈黙は、墓地における沈黙に等しいものです。それはいずれは崩壊を迎え、混沌に終止してしまうものです。そしてこれは私たちがもとめているものではありません。

この世界ではまた貧困が蔓延し、貧富の差も拡大しつつあります。こうしたものも国家レベル、国際問題のレベルで平和を損なっています。

また別の視点から見ると、平和には二つの層があります。すなわち内的な平和と外的な平和です。外的な平和とは内的な平和によってのみもたらされるものです。そして内的な平和は、自分の人生の目指すべきゴールというものをもっている人たちが感じることのできる、心の静けさのひとつの形なのです。自分の人生に目指すべきゴールをもっていない人が混乱に陥っている人なのです。

もしも私たちが内的な平和見いだすことがなければ、その限り、私たちは他者に対して我々の平和を伝えることはできないでしょう。ですので平和とはあくまでも個々の人間からはじまるものなのです。まずは家族の平和から始めて、それを育んでそれを他人に伝達することが大切だと思います。

2006年9月3日 シリン・エバディ


シリン・エバディさんはイランの女性弁護士で2003年ノーベル平和賞を受賞され、2006年9月に別の会議に参加されるために広島を訪問されました。今回の会議に参加してくださる意志をお持ちでしたが、最終的にスケジュール調整が上手くいかず、実行委員会に9月にビデオ・メッセージという形でご参加くださいました。