日常生活
龍蔵院デプン・ゴマン学堂日本別院は、日本で唯一のはじめての正式なチベットの僧院としての活動しています。ここでは日本別院スタッフの僧侶たちの日々の活動を紹介します。
朝会
朝の法要は毎日10時から始まります。約1時間半くらい続きます。(通常月曜日はお休み、スケジュールによって変更する場合もあります。)
通常唱えている経典はほぼ本山ゴマン学堂で唱えられているものと同じものが唱えられます。それ以外に龍蔵院の御本尊大聖歓喜天、不動明王、観音菩薩の讚などが唱えられています。
多くの場合には、ご祈祷を申し込んでくださった施主の方の願い事が成就するためにご利益があるとされているお経をそれと一緒に唱えています。毎日朝の法要のはじめにご祈祷の施主の願文を読み上げます。それをすべての僧侶が耳で聴いた上で、この世界にすべての生きとし生けるものが苦しみから逃れ、幸福な境地に達するよう、そして施主の願い事がすぐに叶うように、と祈りつつ朝の法要が行われるのです。
朝の法要が終わると朝食です。通常はミルクティーとパンで済まします。実はチベットでは「朝食」とは言わず「朝茶」(ショクチャ)と言います。これは朝はそれほど食事を摂る習慣がないからです。 朝食が終わると一時間程度境内の掃除の時間を設けています。龍蔵院はご存知の通り山のなかにありますので、毎日のように落ち葉を掃除してもきりがない状態ですが、毎日手分けをして境内を掃除します。土日祝日は朝の法要を九時から行なって、法要の前に境内の掃除などを済ませておくようにしております。
昼
掃除が終わると昼食までは各自修養の時間をとっております。この時間で各自読経したり、経典を暗記したり、仏教哲学の勉強をしたり、日本語の勉強をしたり、大きな行事のための準備をしたりします。チベットの僧侶はそれぞれ自分が毎日唱えるべき経典を自分で決めて、それを毎日に口に出して唱えることが習慣になっています。各自それぞれ違う内容のお経を唱えますが、大体ひとりあたり一時間以上は自分の読経の時間が必要となっています。
昼食は大体ご飯と簡単な野菜炒めのようなものを作って食べています。
午後はさまざまですが、日本語やチベット語の授業があったり、参拝者の方たちとお話をしたりなど特に決まって何かがあるというわけでもありませんが、チベットの文化を紹介したり、さまざまな方たちとの交流をする時間にしております。
夕会
午後6時からは夕方の法要があります。(土日祝日は4時からです。)夕方の法要では、二十一ターラ菩薩の讚・護法尊の供酒供養・護法尊の讚などが唱えられています。夕方の法要が終わると夕食ですが、大体の場合には、「テントゥク」と呼ばれるチベット風うどんを作って食べています。
根本の三儀軌:布薩・夏安居・自恣
また月に二回は「布薩」と呼ばれる儀式が行われます。
「布薩」とは、善を養い罪を浄化する儀式です。布薩は、僧侶はそれぞれ法衣・袈裟をもって本堂に宗会し、五体投地をして懺悔文や『別解脱経』などを唱えるなどの儀式を行ないます。これをするのには最低四人の比丘が必要となりますが、この「布薩」と夏に行われる「夏安居」・「自恣請」の二つの儀式を併せて、「根本の三儀軌」と呼ばれています。
この「根本の三儀軌」が行われていることが「チベット仏教の寺院」としての最低条件と言われています。
定例行事
それ以外には、定例行事としては、月初めの毎水曜日に開運焼香祭・チベット暦八日の午前中に緑ターラ菩薩への四曼陀羅供養、九日の夜に護法尊四種羯摩特別供養・二十五日の夜に師資相承供養を行なっているほか、月末の日曜日には定例法話会を開催しています。
ここは日本唯一の正式なチベット仏教の寺院としての活動を行なっている「チベット仏教の聖なる空間」です。是非、お時間のあるときに訪れてみてください。