¥30,000
デルゲ版「チベット大蔵経論疏部」の怛特羅部は、大乗不共の法のうち、果秘密真言乗に関する著作が、収録されています。
それはまず、無上瑜伽怛特羅の吉祥呼金剛論法類からはじまり、引き続き、その総論・成就法・曼荼羅作法・道次第法類が続きます。その次に吉祥時輪怛特羅法類、勝楽怛特羅論疏法類、吉祥四座・大幻怛特羅法類、金剛甘露・仏和合法類、多羅法類、秘密集会聖者流法類、普誡法類、閻魔法類、恐畏金剛法類、無上瑜伽流眞實名誦法類、吉祥一髻仏法類・金剛手法類、無上共見修果等教示法類まで、計320篇の論疏が、収録されています。
最後の帙からは引き続き瑜伽怛特羅の論疏がはじまり、瑜伽怛特羅真実摂経法類、金剛界成就法曼荼羅論疏法類、金剛界成就法曼荼羅論疏法類まで、計122篇の論疏が収録されています。それに続いて、行怛特羅・作怛特羅等に関して、行怛特羅では、一切秘密・悪趣清浄法類、行怛特羅法類とあり、作怛特羅法類が続き、各怛特羅相関成就法類、曼荼羅儀軌法類、三乗四部怛特羅規三昧耶等法類と続いて、計1162篇の論疏が収録されています。
これらのすべてがナーガルジュナやナーガボディをはじめとするインドで活躍した大成就者たちによって著された印度撰述の論書であり、その殆どの著作は現在サンスクリット原典も失われていますので、このチベット大蔵経に収録されているものしかこの地球上には現存していません。
「チベット大蔵経論疏部」(テンギュル・丹殊爾)は、釈尊の御教えの真意を解釈するインド原典の論書をチベット語へと7世紀から500年以上の年月をかけて訳出したものを集成したもので、現在人類が保有するインド仏教の伝統的な注釈書の最大かつ最古のコレクションです。そのデルゲ版は、1744年に木版にて開版されたもので、正式名称を、「一切知者日親釈迦牟尼如来の仏語聖教を注釈する論書を雪国チベットの言語へと奉訳した一切の法施が不断に行われる神変の祖母・圓滿劫福徳雲海」といい、デルゲ大印経院にその原板の板木が今日も安置されていることから「デルゲ版テンギュル」と呼ばれるものであり、全213帙64512版あり、「テンギュル・リンポチェ」とも呼ばれています。
このデルゲ版は、中央チベットのシャル僧院で1334年にクンガ・トンドゥプが施主となり収集され、プトゥン・リンチェンドゥプが校訂者としてナルタン僧院の写本テンギュルを筆者したものを底本として増広して編集し、1334年に完成した「シャル写本テンギュル」、タクツェ宮殿にてシトゥ・チューキ・ジュンネーが責任編集した写本テンギュルほか四本を原本として編纂され、1737年にデルゲの法王テンパ・ツェリンが施主となって発願し、その後1744年までの7年間をかけて最終的には大校閲師シュチェン・ツルティム・リンチェンが責任校正して、開版したものである。