ナーガールジュナ


ナーガールジュナ(Nāgārjuna, ཀླུ་གྲུབ; c150-250) 龍樹。

中観派の始祖。竜宮より般若経をもたらしたとされる。般若経の空思想を体系化した彼の思想は仏教圏全域で最も重要であり、日本では「八宗の祖」と称えられ、チベットでは彼を依怙尊として篤く信仰し、その著作群に対して註釈書が多数作られた。

また、彼は釈尊の三転法輪のように三度の法声を世界に轟かせたと伝えられている。

初めは比丘のウダナヤ等が仏道修行への怠惰な心を断つよう教えを説いたといわれている。これは「第一法声」と呼ばれている。

次に「第二法声」では中観の六部論理書を著してあらゆる学説の中の頂点に位置する中観派を打ち立てた。

「第三法声」では、『太鼓経』などの経典に基づき一切有情の心には善逝心が遍満していることを示す『法界讃』等を説法した、という。

ナーガールジュナの著作

中観の六部論理書とは

  • 『中論頌』
  • 『六十頌如理論』
  • 『空七十論』
  • 『廻諍論』
  • 『ヴァイダルヤ論』
  • 『ラトナーヴァリー』(または『言説証明論』)

その他の著作(一部)

  • 『勧誡王頌』
  • 『大乗二十頌論』
  • 『因縁心論』
  • 『出世間讃』
  • 『菩提心論』

参考図書

  • 中村元『龍樹』講談社学術文庫、2016
  • 梶山雄一、瓜生津隆真訳『龍樹論集』(大乗仏典14)中公文庫、2010