2020.08.06

広島・長崎の被爆75周年に寄せて

ダライ・ラマ法王によるメッセージ

広島・長崎の被爆75周年に寄せて

広島・長崎の被爆75周年のこの機会に、政府・組織・個人のみなさまが、私たち自身の生活の最重要事項として、もう一度平和を実現するための取り組みに対し、いま一度貢献したいと願われることを要望いたします。

20世紀という時代は、私たちは大いなる発展を成し遂げたことも確かですが、同時に2億人にも及ぶ人々を殺戮する核兵器の恐怖を伴う暴力の時代でもありました。いま世界はより相互に依存しつつあり、私たちは今世紀をこれまで以上に平和な世紀とする可能性をもっています。

対立が起こる時には、私たちはそれを対話を通じて解決すべきであり、力を用いて解決すべきではありません。核兵器の脅威は根絶しなければなりませんし、それは最終的な世界の非武装化を目指す必要があります。戦争は殺戮を意味しています。暴力は報復の暴力を導きだすものです。私たちは、戦闘、武器の製造といったことに終止符をうち、より平和な世界を構築する必要があります。

私たち人類は、今日の世界で様々な問題をつくりだしています。私たちが強い否定的な感情をもっている限り、私たちは自分たちの仲間を「我々」と見て、他者である「彼ら」を破壊しようとする傾向があるのです。人類はひとつなのだということを私たちは認識しなければいけません。祈ることだけでは平和は実現できないと知り、私たちは行動を起こさなくてはならないのです。

祈りをこめて

ダライ・ラマ

2020年8月6日


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