作成日: 2009-08-17 最終更新日: 2016-09-23 作成:事務局

第1章 色彩と形態についての規定

ラマ主文殊に合掌します。

他学説の否定

ある人が言う、「色彩であれば、赤であるで遍充」と。白法螺貝の色彩、主題。赤であることになる。色彩だから。遍充は承認済。「不成立」なら、白法螺貝の色彩、主題。色彩であることになる。白であるから。「不成立」なら、白法螺貝の色、主題。白であることになる。白法螺貝の色と同じだから。原帰謬で「その通り」なら、白法螺貝の色、主題。赤ではないことになる。白であるから。「不遍充」なら、遍充は有ることになる。白と赤の二つの共通基体は無いから。「不成立」ならば、白と赤との二つの共通基体は無いことになる。白と赤との二つは対立だから。その他には、宝蔵仏の色彩、主題。赤であることになる。色彩であるから。遍充承認済み。「不成立」なら、宝蔵仏の色彩、主題。色彩であるのか。黄であるから。「不成立」ならば、宝蔵仏の色彩、主題。黄であることになる。宝蔵仏の色彩と同一であるから。原帰謬で「その通り」ならば、宝蔵仏の色彩(主題)、赤ではないことになる。黄であるから。「遍充不成立」ならば、遍充は有るのか。「赤と黄は対立である」から。

ある人が言う、「色彩であれば、白であるもので遍充」と。無量寿仏の色彩、主題。白であることになる。色彩であるから。遍充は承認済。「不成立」ならば、無量寿仏の色彩、主題。色彩であることになる。赤であるから。原帰謬で「その通り」ならば、無量寿仏の色彩、主題。白ではないことになる。赤であるから。「不成立」ならば、無量寿仏の色彩、主題。赤であることになる。無量寿仏の色彩の孤立だから。「不成立」ならば、無量寿仏の色彩、主題。(x)は(x)の孤立であることになる。(x)は基体成立であるから。その他には、不空成就仏の色彩、主題。白であることになる。色彩であるから。遍充承認済。「不成立」ならば、不空成就仏の色彩、主題。色であることになる。緑であるから。原帰謬で「その通り」なら、不空成就仏の色彩、主題。白ではないことになる。不空成就仏の色彩と同一であるから。

ある人が言う、「原色であるならば、四原色のいづれかであるもので遍充」と。黒、主題。四原色のいづれかであることになる。原色であるから。遍充承認済。「不成立」ならば、黒、主題。四原色であることになる。黒であるから。原帰謬で「その通り」ならば、黒、主題。四原色のいづれでもないことになる。白ではなく、かつ黄色でもなく、赤でもなく、青でもないから。「第一証因不成立」ならば、黒、主題。白ではないことになる。黒であるから。「不遍充」ならば、遍充は有ることになる。白と黒の二つの共通基体は無いから。「第二証因不成立」ならば、黒、主題。黄ではないことになる。黒であるから。「不遍充」ならば、遍充は有ることになる。黄と黒の二つは対立であるから。残りの二証因にも同論理。

ある人が言う、「派生色であるならば、八派生色のいづれかであるもので遍充」と。橙文殊の色彩、主題。八派生色のいづれかであることになる。派生色であるから。遍充承認済。「不成立」ならば、橙文殊の色彩、主題。派生色であることになる。赤と黄の派生色であるから。「不成立」ならば、橙文殊の色彩、主題。赤と黄の派生色であることになる。橙であるから。原帰謬で「その通り」ならば、橙文殊の色彩、主題。八派生色のいづれでもないことになる。雲・煙・塵・霧の四つのいづれでもなく、かつ明・暗・影・陽光、という四つのいづれでもないから。証因はそれぞれ成立している。橙文殊の色彩と同じであるから。これ以外にも、緑、主題。八派生色のいづれかであることになる。黒と黄の二つの派生色であるから。緑であるから。原帰謬で「その通り」ならば、緑、主題。八派生色のいづれかであることになる。緑と同一であるから。

ある人が言う、「色であるならば、色彩であるで遍充」と。栴檀の香、主題。色彩であるのか。色であるから。遍充承認済。「不成立」ならば、栴檀の香、主題。色であることになる。色たりうるものであるから。「不遍充」ならば、遍充は有ることになる。色たりうるものとは色の定義であるから。原帰謬で「その通り」ならば、栴檀の香、主題。色彩ではないことになる。香りであるから。「不遍充」ならば、遍充は有るのか。香と色彩の二つの共通基体は無いから。「不成立」ならば、栴檀の香、主題。そうなる。香と色彩の二つは対立であるから。

ある人が言う、「色であるならば、色処であるで遍充」と。声、主題。色処であることになる。色であるから。遍充は承認済み。「不成立」なら、声、主題。色であることになる。物質であるから。「不成立」なら、声、主題。物質であることになる。極微として成立しているものであるから。「不遍充」なら、遍充は有ることになる。極微として成立しているものが物質の定義であるから。原帰謬で「その通り」なら、声、主題。色処ではないことになる。眼識の把握対象ではないから。「不成立」なら、声、主題。眼識の把握対象ではないことになる。耳識の聴取対象であるから。「不成立」なら、声、主題。耳識の聴取対象であることになる。声処であるから。これ以外にも、サトウキビの味、主題。色処であることになる。色であるから。遍充は承認済み。「不成立」なら、サトウキビの味、主題。色処ではないことになる。眼識の把握対象ではないから。「不遍充」なら、遍充は有ることになる。眼識の把握対象は色処の定義であるから。

自説の設定

「色」の定義はある。「形成され得るもの」がそれであるから。「色」と「物質」の二つは同義である。「色」を分類すれば二つある。「外色」と「内色」との二つがあるから。「外色」の定義はある。「人の認識の相続に含まれない色」がそれであるから。

外色を分類すれば五つ有る。色処・声処・香処・味処・触処で五つ有るから。

色処の定義は有る。眼識の把握対象がそれであるから。色処を分類すると二つある。形状(形色)・色彩(顕色)の二つが有るから。形状を分類すると八つ有る。長いもの・短いもの・高いもの・低いもの・四角いもの・丸いもの・平らなもの・平らではないものという八つがあるから。四角いものは設定可能である。たとえば正方形のような形をしているものがそれであるから。丸いものは設定可能である。たとえば輪とは卵などはそれであるから。平らなものは設定可能である。たとえば、表面が均一な形をしているものはそれであるから。平らではないものは設定可能である。表面が均一ではない形をしているものはそれであるから。

色彩を分類すれば二つある。原色と派生色との二つがあるから。原色を分類すれば、四つある。白・黄・赤・青の四つがあるから。派生色を分類すれば八つ有る。雲・煙・塵・霧・明・暗・影・陽光、という八つが有るから。形状・色彩・その両者・その両方ではないもの、という四つの選択肢がある。「色彩ではあるが、形状ではないもの」という選択肢・「形状ではあるが、色彩ではないもの」という選択肢・「色彩と形状の両方であるもの」という選択肢・「形状と色彩のどちらでもないもの」という選択肢で四つあるから。「色彩ではあるが、形状ではないもの」という選択肢は有る。四原色がそれであるから。「形状ではあるが色彩ではないもの」という選択肢は有る。長いもの・短いもの・四角いもの・丸いものの四つはそれであるから。「形状と色彩の両方であるもの」という選択肢は有る。雲・煙・塵・霧の四つはそれであるから。「形状と色彩のどちらでもないもの」という選択肢は有る。地・水・火・風の四つはそれであるから。色処・色界・示されてある色の三つは同義である。示されてある色の定義基体は有る。色彩と形状の二つはそれであるから。(x)に対して「示されてある色」と述べる理由は有る。眼の客体(眼境)として示されて有るので、そのように述べられるから。

声処の定義は有る。耳識の聴取対象がそれであるから。声を分けると二つ有る。有執受大種所造声(非自然音)と非執受大種所造声(自然音)との二つがあるから。有執受大種所造声は設定可能である。人が手を叩く音はそれであるから。非執受大種所造声は設定可能である。水の音がそれであるから。声を言表主体たる音声という観点で分類すれば、二つ有る。有情に対する表示である音声と、有情に対する表示ではない音声との二つがあるから。有情に対する表示である音声・言表主体たる声は同義である。定義基体は有る。「声無常」と言表する声がそれであるから。有情に対する表示ではない声・言表主体ではないものたる声は同義である。定義基体は有る。太鼓の音と法螺貝の音などがそれであるから。

香処の定義は有る。鼻識の経験対象がそれであるから。香を分類すると二つある。倶生起の香・調合された香という二つがあるから。倶生起の香は設定可能である。栴檀の香りがそれであるから。調合された香は設定可能である。塗香がそれであるから。倶生起の香を分類すると二つある。いい匂いの倶生起の香・いやな匂いの倶生起の香という二つがあるから。いい匂いの倶生起の香りは設定可能である。たとえばサフランの香りとカンフル(樟脳*虫よけに使う)の香りの二つがそれであるから。いやな匂いの倶生起の香りは設定可能である。たとえば阿魏(からくて暖かく風邪や害虫の治療に使われる植物)と硫黄の香りとの二つはそれであるから。調合された香を分類すれば二つある。いい匂いの調合された香といやな匂いの調合された香との二つがあるから。いい匂いの調合された香は設定可能である。たとえば塗香や頭髪香(?)との匂いとの二つはそれであるから。いやな匂いの調合された香は設定可能である。いやな匂いの沢山の薬が調合されている匂いがそれであるから。

味処の定義は有る。舌識の経験対象がそれであるから。味を分類すれば六つある。甘味・酸味・苦味・つんとする味・ぴり辛味・塩味の六つがあるから。甘味は設定可能である。アトウキビの蜜の味とミルクの味はそれであるから。酸味は設定可能である。たとえばオオサンザシ(Crataegus pinnatifida)の味やヨーグルトの味がそれであるから。苦味は設定可能である。たとえばティクタ(Gentiana barbata)の味がそれであるから。つんとする味は設定可能である。アルラ(arura)の味はそれであるから。ぴり辛味は設定可能である。三唐辛子(胡椒・ピピリ・生姜)の味がそれであるから。塩味は設定可能である。たとえばバツァ(アルカリ?)やソクツァ(モンゴル塩?)がそれであるから。

触処の定義は有る。身識の経験対象がそれであるから。触を分類すれば二つ有る。大種である触と大種所造である触との二つが有るから。大種となっている触を分類すれば四つ有る。地水火風の四つはそれであるから。地の定義は有る。しっかりとして堅いものがそれであるから。水の定義は有る。濡れて湿っているものがそれであるから。火の定義は有る。厚くて燃やすものがそれであるから。風の定義は有る。軽くて動くものがそれであるから。大種所造の触を分類すれば七つ有る。なめらか・ざらざら・重い・軽い・冷たい・飢え・渇きの七つが有るから。

内処の定義は有る。生物の識相続の不共増上縁を担っている点から設定される、内部の純粋な色を伴うもの(浄有色)がそれであるから。

眼・眼根・眼界の三つは同義である。眼根を分けると二つ有る。拠所を伴っている眼根・拠所に対応していう眼根との二つが有るから。拠所を伴っている眼根は設定可能である。白や青などを見ている眼根がそれであるから。拠所に対応している眼根は設定可能である。眠っている時の眼根がそれであるから。

耳根の定義は有る。それ(耳根)自身の結果である耳識の不共増上縁を担っている点から設定される、内部のありのままの色を有するもの(浄色)」がそれであるから。「耳根」を分類すると二つが有る。「拠所を伴っている耳根」と「拠所に対応していう耳根」との二つが有るから。

鼻根の定義は有る。それ自身の結果である鼻識の不共増上縁を担っている点から設定される、内部のありのままの色を有するもの」がそれであるから。鼻根を分類すれば二つ有る。有拠所鼻根・準有拠所鼻根との二つが有るから。

舌根の定義は有る。それ自身の結果である舌識の不共増上縁を担っている点から設定される、内部のありのままの色を有するもの、がそれであるから。舌根を分類すれば二つ有る。「拠所を伴っている舌根」と「拠所に対応していう舌根」との二つが有るから。

身根の定義は有る。それ自身の結果である身識の不共増上縁を担っている点から設定される、内部のありのままの色を有するもの、がそれであるから。「身根」を分類すれば二つ有る。「拠所を伴っている身根」と「拠所に対応していう身根」との二つが有るから。

それに対する論難の払拭

ある人が言う。「風、主題。大種所造であることになる。大種所造の触だから。大種所造の七触のいづれかであることになる。『不成立』なら、風、主題。大種所造の七触のいづれかであることになる。軽いものであるから」と。遍充しない。そういえば、彼は言う。「遍充は有ることになる。軽いものであれば、、大種所造の七触のいづれかで遍充するから。『不成立』なら、軽いものならば、大種所造の七触のいづれかで遍充することになる。大種所造の七触を導き出した時に、軽いものという一項目が必ず導き出されるから。」といえば、遍充しない。原帰謬で「その通り」なら、風、主題。大種所造ではないことになる。大種であるから。「不成立」なら、風、主題。大種であることになる。四大種のいづれかであるから。「不成立」なら、風、主題。四大種のいづれかであることになる。風であるから。

ある人が「白い馬、主題。色彩であることになる。四原色のいづれからであるから。『不成立』なら、白い馬、主題。四原色のいづれかであることになる。白であるから。『不成立』なら、白い馬、主題。白であることになる。(x)は白い馬であるから」と言うならば、遍充しない。原帰謬で「その通り」ならば、白い馬、主題。白でないことになる。色彩ではないから。「不成立」ならば、白い馬、主題。色彩ではないことになる。色でないから。「不成立」なら、白い馬、主題。色ではないことになる。生き物であるから。「不成立」なら、白い馬、主題。生き物であることになる。馬であるから。

ある人が「認識対象、主題。色であることになる。形態であるから。『不成立』ならば、認識対象、主題。形態であることになる。平らなものと平らではないものかの二つのいづれかであるから。『不成立』ならば、認識対象、主題。平らなものと平らではないものかの二つのいづれかであることになる。平らではないものであるから。『不成立』ならば、認識対象、主題。平らではないものであることになる。平らではないから。」と言うならば、遍充しない。原帰謬で「その通り」ならば、認識対象、主題。色ではないことになる。事物ではないので。「不成立」ならば、認識対象、主題。事物ではないことになる。常住であるので。「不成立」ならば、認識対象、主題。常住であることになる。認識対象と同一であるから。