
弊会では2001年以来、広島市東区牛田東3丁目の龍蔵院を本拠地に2019年まで18年間活動を行ってきました。龍蔵院は本堂の半分ならびに不動堂・倉庫部分しか自己所有の土地がなく、周囲の山林は個人所有の土地でした。
しかしながら2006年にダライ・ラマ法王を広島で最初にお迎えし、2010年代には、近隣の山林の個人所有状態を解消し、弊会では未来永劫に渡ってその地に正式なチベットの僧院建築を建立すべく近隣の山林ならびに墓地を合計3,700坪強買収し、弊会名義の土地として取得しました。弊会はチベット仏教ゲルク派の総本山デプン・ゴマン学堂の公式な日本支部であり、チベット仏教の僧院で僧院の公式な所有物として日本に土地を所有しているのは、デプン・ゴマン学堂のみであります。
しかし土地は取得したものの、急傾斜地を含みまた広島市の市街化調整区域でもありますので、数年以内に土木工事をしてすぐに僧院を建立することもできず、またそれにともない大きな自然破壊の恐れがありますので、ダライ・ラマ法王とも相談して長い時間をかけて僧院は少しずつ建立すればよく、それよりも仏教を紹介しアカデミックな活動をすることを優先して行うようご助言をいただきましたので、必要以上に建物を建造することを急がずに少しずつ計画を練りながらやってきました。
2018年の土砂災害

しかしながら、その後近年、西日本でも豪雨災害な何度も発生し、弊会の所有しております龍蔵院の近辺の牛田東3丁目の土地は豪雨災害があった場合には、水路が氾濫するという災害を迎えました。他の広島県の地域では多くの死者もでましたが、幸いにも急傾斜地の土砂崩れはそれほど甚大な被害は起こりませんでした。しかし水路がつまり大人の膝下まで土石流が流れ次にもう少し大きな規模の災害が発生すると非常に危険な状態となりました。
2018年の龍蔵院下の水路における被害状況
もともとあった水路 急斜面のためイノシシが暴れて枯れ木が落ちてきます 豪雨災害の時の崖崩れ 流れた土砂の跡(土石流は大人の膝の高さまで流れてきました) チベットの僧侶とボランティアの方々でみんなで土砂を綺麗にして一日かけて修復してもこの程度です
当該地域では水路が氾濫して土砂が流れるという現象が度重なり起こり、弊会で土地を買収する以前から広島市下水道局による水路の改修工事が計画されておりましたが、この2018年の大規模な災害に対して広島県では再び同じような災害にならないよう、各地域で早急な対策が必要となりました。
これにともない上下水道の整備なども試算したところ、龍蔵院の周辺にチベットの僧院を建立するための造成工事を行い、建造物をたてるのは、通常の土地よりも数倍の経費と時間がかかり、また龍蔵院の御住職の世代交代などもあり、2019年には一旦日本別院の本拠地を移転することとなったのはご承知の通りです。
広島市による水路工事(2019.12-2020.3)
2019年7月からは日本別院は広島市西区の真光院に本拠地を移しましたが、旧拠所であり弊会所有の土地のある龍蔵院の下の部分では、2019年12月から災害対策のため広島市の予算で大規模な水路の回収工事が行われました。








以上の状態で広島市の予算での水路の補強工事は終わりとなりました。
しかしながら水路がもともと蓋をしてあった部分とある程度の距離のある部分は私有地のため広島市の予算では補強できない、とのことです。
しかしながら水路の脇の部分は倒れてくる樹木がなくなった土砂が流れる可能性がでてきたことや、依然から頻繁に崩れていた場所については梅雨入りして雨が多く降る日が来る前になんとかしなくてはならないこととなりました。


法面応急補強工事
このように広島市の予算で水路の補強工事は行われましたが、私どもの私有地部分では以前問題が残っており、今回特に雑木を伐採しましたので、梅雨入り前にはなんらかの対策が必要となりました。そこで応急補修工事として以下の工事を行いました。

上の写真の部分の工事は広島市が行ったものです。小さな芝などが入っている土嚢を積んでおけば比較的すぐに緑が生えてきます。上の広島市の行った法面の工事を、龍蔵院の階段下まででこれまでよく崩れてきた場所に施しました。



緑色の土嚢は、芝などの樹木の種が入っていますので、数ヶ月もすればすべて綺麗な芝生のような状態ができ、根が張ることにことによって自然の壁ができることが期待されます。もう少し根が張ってくれば、ミントや食べられる笹などを植えていき、自然に生えてた美味しいハーブや花が咲くようにしたいきたいと思いますが、取り急ぎはこの状態で今年の梅雨と夏の台風などの状況を見ながらまた徐々に考えていきたいと思います。
ここの水路の水は大変綺麗な水らしく昔は夜は蛍が飛んでいるのが見えたとのことです。いまもさまざまな小鳥や小さな虫がたくさん住んでいる森ですので、将来的も心地よい森となることが期待されます。

ご支援のお願い
2000年以来、本山デプン大僧院からの来日した僧侶の宿泊先ならびに活動の本拠地として機能してきましたが、あいにく急傾斜の土地の深い森のなかにあるため土砂災害が起こる可能性があり、このたび広島市による水路の改修工事に伴い、より近隣住民に安心した状態を作りだし、土砂の崩落などの事故が起こらないように応急補修工事を行いました。
当該山林は弊会所有の私有地で、広島市からの融資を受けることもできるとのことですが、これまで龍蔵院で活動していた時にご縁のあられたみなさまからのご支援をお願いしたいと思います。今後当該土地で本山デプン・ゴマン学堂がなんらかの活動を行う可能性もありますし、数十年後、数百年後もその効果は地元の住民のみなさま、また下流域のみなさまに大きく役するものであることは変わりません。みなさまからの温かいご支援を賜りますようお願い申し上げます。
- 工事名:牛田東3丁目法面応急補強工事
- 施工内容:法面の地下に植栽土嚢を積んで排水工事をして崩落や土石流を防ぐ
- 施工日程:2021年4 月末日終了(梅雨入り前に工事が必要なため既に工事は終わりました)
- 施工業者:株式会社コーケン
- 工事費用:400,000円
- 詳しい経緯についてはこちらをご覧ください。
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