2006.11.05

仏教とは心の科学である

近年、健康を考えたり、身体の健康維持や家庭問題、社会問題、これらが感情の働きと深く関係していると注目されはじめてます。たとえば脳の神経があげられます。脳神経以外にも身体全体の細かい神経組織に至るまで、感情との関わりが注目されています。

ある種の感情は、身体全体の免疫システムに効果があると言われたり、またある種の感情、たとえば瞋恚などは、免疫システムにとっても有害だと言われます。“免疫力を蝕む”と表現されるそうですよ。強い怒りは免疫力を“蝕む”と言われています。科学ではこのように最近、感情に注目しはじめたのです。感情に注目するのなら、情報源として仏教書は役立ちます。一般的にインドの伝統文化、特に仏教書の中で感情は深く洞察されています

これは何故かと言えば、昨日お話した通り、幸福や苦しみが起こっているのは、無因にも、常住な因にも、創造主にも拠るのではなく、コントロールされていない心から生じるとするので、心をコントロールできなくしているのは何なのか?コントロールできない心をコントロールする方法は何か。そのような心それ自体は、一体どのようなものなのか。これは問題ですよね。ですから仏教では認識論や心理学が発展しているのです。こうして最近では、現代科学のある分野で解脱するために、仏教を研究するのではなくて、来世のために仏教を研究するのでもなく、人間に不幸せをもたらす。

たとえば健康等を損なう等の様々な不幸が、感情によって生み出されていることから漸くこれに注目しはじめたのです。このように考えると、仏教の書物のなかで、たとえば経典の言葉に、

心を制すれば楽であり、心を制さねば苦である

これは真理ですね。また、

諸悪莫作 衆善奉行 自浄其意 是諸仏教

こう言われる通り 仏教とは、心を制御する方法なのです。昨日も言いましたが、“知が法となっていれば”という様に、知を制していれば法であり、知を制さねば法ではないのです。このように仏教というのは、知を制する事に注目しており、そのことについて多くの解説をしています。


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