2006.11.02

広島国際平和会議2006共同宣言

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広島国際平和会議2006共同宣言   2006年11月2日

私たちはここ広島に集いました。この地のもつ赦しの精神と平和を希求する情熱を再び高めたいという思いからです。それは核のない世界を実現するためです。

核兵器による破壊に直面した、広島のひとびとは、戦争の恐怖を経験した後、新たな解決策を求めました。それは平和を実現するための対話の最も中心となる場所、そのような場としてこの街を復興することでした。私たちは、この街がもっている精神、赦すということ、そして報復はしないということ、このメッセージに人類すべてが注目して欲しいと希います。

広島、この世界でもっとも悪しき破壊の苦痛が現実にもたらされた地、ここはひとりひとりの人間が自分自身の国家、都市、団体を優先するのではなく、よりグローバルで、人間らしい共同体およびこの世界全体を優先したい、そんな発想に満ち溢れた場所です。

私たちはすべての人々に宣言し、訴えます。

あなたの隣人はもちろんです。それがあなたの敵であったとしても、
彼らを破壊すること、それはあなた自身を破壊することです。

健康、教育、人権、青少年の育成、自然環境、これらに危機がもたらされる時、
それがいかなる場所で起こっていたとしても、その影響はすべての場所に起こります。

それゆえに、全地球的な責任を担い、すべての人が互いに依存していると認めること、
これがあなた自身の幸せだけではなく、他者の利益のために不可欠です。

私たちは、ひとつの家族の兄弟であり、姉妹であり、そして人類というひとつの全体です。それゆえに私たちは、他者が味わっている苦しみ、子供たち、弱者たち、高齢者たち、彼らの痛みに対して無関心であることをやめ、世界全体を問題としなければなりません。

問題が起こる原因、それは私たち自分自身にあります。そしてその解決もまた私たち自身からはじまります。私たちは誰でも小さな子供の時から学んでゆかなくてはならないのです。世界を変えるのに必要な力、それはそこにあります。

広島のメッセージを宣言します。

他者の家を壊すこと、それはあなた自身の家を壊すことです。
他者の家を直すこと、それはあなた自身の家を直すことです。
優先してください。あなたの仲間、街、国だけでなく、世界全体を。
誠実であってください。あなたの仲間、街、国だけでなく、世界全体に。
見守ってあげてください。あなたの仲間、街、国だけでなく、世界全体を。
教育を受けさせてください。あなたの仲間、街、国だけでなく、世界全体に。
思いやりを与えてください。あなたの仲間、街、国だけでなく、世界全体に。
赦しを与えてください。あなたの仲間、街、国だけでなく、世界全体に。
協力してください。あなたの仲間、街、国だけでなく、世界全体で。
変化はあなたの心からはじまります。
すべての人に愛を。

 

 

ベティ・ウィリアムズ(北アイルランド)
デズモンド・ムピロ・ツツ(南アフリカ)
ダライ・ラマ(チベット)
signatures
広島国際平和会議2006参加者一同

Hiroshima International Peace Summit 2006 Joint Statement

November 2, 2006

We have gathered in Hiroshima to reinforce this city’s spirit of forgiveness and passion for peace in order to establish a nuclear-free world. In the face of the enormity of the devastation wrought on it by atomic catastrophe, the people of Hiroshima experienced the utter horror of war and sought a new solution, rebuilding a city that has become the world’s premiere center of dialogue for peace. We wish to draw attention to its message of forgiveness and non-revenge for all humankind. This, the actual place of pain of the world’s worst destructive weapon, is a dynamic source of inspiration for putting not one’s own nation, city, or group first, but for putting the global human community and the entire planet first. We affirm and call on all to consider that:

Destruction of your neighbor and even your enemy is destruction of yourself.

A crisis anywhere in health, education, human rights, care of children, or the environment has repercussions everywhere.

Therefore, acceptance of global responsibility and interdependence is essential both for your own well-being and for others’ benefit.

Since we are one family of sisters and brothers and one body of humanity, we must transform indifference to the pain of others—of children, of the infirm, and of the aged—into global concern. The problem starts with oneself, and so the solution also starts with oneself. All from childhood on need to learn that the power to transform the world resides in them.

Affirming the Message of Hiroshima:
Destroying another’s house destroys your own.
Repairing another’s house repairs your own.
Not your group, city, or nation first, but the world first.
Loyalty not just to your group, city, or nation but to all.
Care not just for your group, city, or nation but for all.
Education not just for your group, city, or nation but for all.
Compassion not just for your group, city, or nation but for all.
Forgiveness not just within your group, city, or nation but for all.
Cooperation not just in your group, city, or nation but with all.
Change begins in your heart.
Love for all.

Betty Williams, Northern Ireland (1976)
Archbishop Desmond Tutu, South Africa (1984)
His Holiness the Dalai Lama, Tibet (1989)

And all the participants of the Hiroshima International Peace Summit 2006


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