作成日: 2010-09-18 最終更新日: 2016-09-18 作成:野村 正次郎

【道の三種根本】

[帰敬文]
至尊大師たちに頂礼します。

[礼賛]
勝者(仏陀)の教説すべての核心たる意味
勝子たちによって称賛されている道
幸運な解脱を求める者たちの門
これらを私が出来る限り説明してみたい

[著作宣誓]
今生の幸福に執われることもなく、
有暇具足を活用することに励み
勝者が歓ぶ道へと意を決した幸運な者たちよ
信心をもって聴聞されたい

[出離]
清浄なる出離が無くしては 生存の海の
楽果の追求を抑制する術はないのである
生存に渇きを覚え肉体を取るものたちは
完全に束縛されているので まず出離を探求するとよい

暇とゆとりは得難いもの 寿命も猶予はないもの
心のなかでの修習により 長寿の望みなどは退けられる。
業と結果は欺かぬもの それは輪廻の苦しみだ
こう何度も考えると 来世への望みなどは退けられる。

このように修習することにより 輪廻円満を
祈ろうとする心は一刹那たりとも起こらず
夜昼解脱を追い求める この意識が起こるなら
今この時出離が起ったことになる

[菩提心を起こす]
これもまた清浄な心を起こすことによって
もたらされているものが無いならば最高の覚りの
完成という幸福の原因とはならなくなってしまう
だから智者たちは最高の菩提心を起こすのです。

勢いの激しい四つの激流に流されてしまい
止まること難しい業の束縛により拘束されてしまい
我執という鉄の網に捕まってしまい
無明の大きな暗闇で隠されてしまっている

果てしなき生存に生まれ生まれ
三つの苦しみにより絶えず煩悶する
このような境涯になってしまった母〔なる衆生〕たちの
気持ちを考えてみて最高の発心をお起こしなさい

[空性を理解する智慧について]
実相を理解する智慧をもたなければ
出離や菩提心をどれだけ修習しても
生存の根を絶ち切ることが出来ない
故に縁起なるものを理解する努力をするとよい

どのような人も輪廻から涅槃の一切の法の
原因と結果は決して欺瞞ではないと見て
所縁を傾けているものであればそれがすべて滅する
この仏陀が歓喜する道に入らねばならない

顕現している縁起は欺かぬものであり、
空が承認を離れるものであるという二つの理解が、
各々顕現し各々有る時には
いまだ牟尼の密意を得ていない

常に交互にではなく 同じ時に
縁起が欺かぬと見る その瞬間に
確定智が客体の把握の仕方すべてを滅するのならば
この時哲学的考察というものは完成している

または顕現によって有の辺を排除され
空であるから無辺を排除されている空性が
原因と結果として現れてくるという様子が分かるならば、
辺執の見解によって騙されるなくなるだろう

[廻向]
このように道の三種類の根本の
核心を私と同じように理解して、
寂静処に座して、精進の力を起こして、
究極の目的をはやく完成しないますように 息子よ

[跋文]
以上これは沢山聴聞した比丘ロサンタクペーペルがツォコ・ガワンタクパに諭されたものである。すべてに幸あれ。(翻訳:野村正次郎)