I1 止観修習の功徳


Created: 2012-01-29 Last updated: 2016-09-23 Author:事務局

大乗・小乗の世間・出世間のすべての功徳は、止観の結果であると『解深密経』で説かれる。

「止観は修所成を獲得した後の相続の功徳ではないのだろうか、それらの功徳の一切がその二つの果であると何故言えるのだろうか」と思うかも知れない。

後述するように、止観そのものは修所成を獲得した心相続の功徳であり、大乗小乗の一切の功徳がその両者の結果である訳ではないが、善なる所縁に心一境性を格とした後の定は、止に属しているのであり、如実・如量の対象を思択する善なる智慧は観に属しているから、このことを密意して「三乗の一切の功徳が止観の結果である」と説かれのは矛盾していないのである。

また『解深密経』で「人が観と止を修習するとき、麁重の繋縛と相の繋縛から解脱する」と説かれていることの意味は、「麁重」は転倒した主体を増長し得る心相続に住する習気であり、「相」とは転倒した客体に対する思い込みが前後に起こった習気が育ったものであり、前者を観が断じ、後者を止が断じると『般若波羅蜜優婆提舎』で説明されている。これらは「止観」という術語が使用される功徳なのであって、「止観」の術語が用いられなくても、同じことを意味しており、「禅定・智慧の功徳」と説かれるものも、これら二つの功徳であると理解されたい。