ごあいさつ
釈尊がインドで御誕生になられ御説きになられた仏教は、釈尊ご自身が御説きになるのを躊躇ったほど難解でかつ極めて奥深いものであり、八万四千の法門という無数の教えがあると言われています。
不幸にしてインド仏教は13世紀頃に滅びてしまったので、今日我々にはその伝統がどのようなものであったのか直接知る術はありません。
インドで仏教が滅びる前に、インドの学者たちは仏教をチベットの地に残そうとしました。チベットでは、インドの学僧とともに仏典を大量に翻訳し、中観派の思想を下に、極めて高度な論理的一貫性をもって仏教を解明してきました。特に14世紀に出現したジェ・ツォンカパ・ロサンタクパの出現により、仏教のすべての教義は論理的な一貫性をもってまとめら、その後彼に従う人々は「ゲルク派」と呼ばれ、完全な戒律主義にもとづく顕密双修の伝統教育システムを築き上げ、セラ、デプン、ガンデンという三大総本山今日も生き続けています。
一方で日本に伝わった仏教は、一般的に三蔵法師玄奘の影響で唯識思想や倶舎学の教義を下にしたインド仏教を研究した中国の傑僧たちの思想のエッセンスを抽出した形になっていますが、それが大乗仏教の教えのすべてではありません。
デプン・ゴマン学堂では、日本別院をおくことを、伝統あるデプン・ゴマン学堂より許可され、「ゲシェー・ラランパ」を筆頭に優れた僧侶が滞在されておられます。
釈尊の教えと、厳しい戒律のもとに日々修行を重ねる僧侶は釈尊の教えを求めた時のみにその教典を紐解くのです。
日本別院でのかれらの日常は限りなく穏やかです。求めればあまたの釈尊の教えを賜ることができます。世界は多くの紛争の火種を抱え、彼らの祖国チベットもまたそのひとつであり、なんとも過酷な現世と釈尊の生きる世界はパラレルワールドであることを日本にいながらに知ることができるのが別院の大きな意義であるといえます。
日本における、仏教学問所として多くのみなさまにご活用いただければと僧侶一同願っております。