デプン・ゴマン学堂

デプン・ゴマン学堂の法会期間

ゴマン学堂ではこれまで述べてきたような教育カリキュラムを
伝統的なチベットの問答法に基づいて、自らの思想とするための
問答法座や法要などを設けている。

問答の学級

これらの学級に対応してどのような問答の学級が有るのかといえば、今日では以下の十五の問答の学級が置かれている。

  1. 仏教基礎学中級
  2. 仏教基礎学上級
  3. 証因論理学
  4. 精神認証学
  5. 現観荘厳論七十義
  6. 聖典初級
  7. 聖典上級
  8. 波羅蜜多学第一章
  9. 波羅蜜多学
  10. 中観学初級
  11. 中観学上級
  12. 倶舎学初級
  13. 倶舎学上級
  14. カーラム学級初級
  15. カーラム学級内部

以上の十五学級が置かれている。カーラムの第2課程以降ゲシェー位が与えられる間には、下から上に順々に進級しなければならない。

定期試験について

 学僧たちは、毎年課せられる定期試験の期間に、それぞれの学級の課題の書籍を暗記しているかどうかの試験・問答の試験・筆記試験の他に、美文作文法・チベット語文語文法・仏教史などの筆記試験も課せられている。五大典籍それぞれの試験において100点を取った者に対しては「パルチンラプジャンパ」(波羅蜜多学を完全に学んだ者)とかそれぞれの学問の名前をつけて「……ラプジャンパ」という称号が与えられる。

このように十五年間の学堂の試験で優秀な成績を修めた者の中から何人かのものは、下級ゲシェーである「ゲシェードランパ」と「カチュパ」という学位を得ることが出来る。

 上級ゲシェーである「ゲシェーハランパ」の学位を得ようと思うのならば、ゲルク派仏教吉祥文化保存協会(ゲルクルクサンチェーキョンツォクパ)の課す試験会場に赴いて、3大学問寺の学者たちとともに、カーラム学級を二年間修め、阿闍梨(ロッポン)学級を二年間修め、さらにハラム学級を二年間修めた上で、試験に合格し、合格証書を得た後に、ラデン・モンラムチェンモ(大祈願祭)の時に、ダライラマ法王から「ゲシェーハランパ」の学位を授かることが出来る。これ以外にもある人々はゲルク派仏教文化保存協会の試験会場に赴かないで、亡命政府の宗教省などから紹介されて、モンラムチェンモでゲシェーハランパの宣誓をする者も居るが、彼らにはゲルク派仏教吉祥文化保存協会が発行した合格証書は授与されることはない。

 この後に密教の学習をしたいのならば、上級ゲシェーか下級ゲシェーかの宣誓命題が成就し、ゲシェー位を得た時点で、下密教学堂(ギュメー学堂)か上密教学堂(ギュトゥー学堂)に入り、試験などに合格したら、僧院規律長(ゲコー)・読キラマ(ウンゼー)・学堂長(ケンポ)・ガンデン僧院シャルツェ学堂法師やチャンツェ学堂法師などの役職に付く資格を得ることが出来る。その後に続けてゲルク派の最高責任者である、ガンデン金座座主(ガンデンティパ)となることさえもできるのである。

年中行事・法要並びに法会

ゴマン学堂は主として仏教を学習・研究する場所であるが、毎年の八つの法要などと関連した法会機関を簡単に述べれば次のようになる。

名称

期間

日数

春季第一法会期 チベット暦 2月2日より2月17日 15
春季大法会期 チベット暦 3月3日より4月3日 30
夏季第一法会期 チベット暦 4月16日より5月6日 20
夏季大法会期 チベット暦 5月16日より6月16日 30
秋季大法会期 チベット暦 8月3日より9月3日 20
白地法会期 チベット暦 9月16日より10月8日 15
兜率五供養法会期 チベット暦 10月16日より11月1日 30
冬季大法会期 チベット暦 11月16日より12月16日 30

 これらの期間の間は、午前9時より11:00まで、および 6:30am より 11:00 までの間は仏教の普及のため、衆生の安楽のために、『白傘仏』・『八千頌般若経』・『獅子吼』などを読経する法要が行われ、ダライラマ法王の供養法要・ターラの数重法要などが執り行われる。殆どの学僧達はこの法要の直後に各学級の問答を開始する。こうした法要の期間以外には聖典やテキストの暗記や復習をしたり、先生からの講読授業を受けたりする。

 これ以外にチベット暦の正月には、セラ・デプン・ガンデンの三大学問僧院すべてにおいて行われる。

  • チベット暦二月五日はクンケン・ジャムヤンシェーパの供養日であり、この日にはクンケンジャムヤンシェーパの『秘密行状記』・『五部法行』・ダライラマ法王の法要・『学説規定本頌』『三種法事』などを読経する。
  • チベット暦4月15日はサカダワの法要であり、『尊者供広養』・『ダライラマ五世の教え』・『勝者教無尽如意宝』・『釈尊の行状記』および礼讃偈・『現観荘厳論』・『入中論』などを読誦する。
  • チベット暦5月の最初の3日間には、護法尊マハーカーラの罪障払拭の法要が毎日四回行われる。
  • チベット暦6月4日には、ドゥーサンの勤行が行われる。釈尊の礼讃などの仏事や『現観荘厳論』『入中論』などが読経される。
  • チベット暦9月22日には、降兜率(ラバプ)の法要が行われる。『十二行状礼讃』などの釈尊の礼讃や『五部法行』や『現観荘厳論』『入中論』などが読経される。
  • チベット暦10月25日には兜率五供養(ガンデンガチュー)の法要が催される。ジェリンポチェの礼讃供養・『ラマ供養儀軌』一次第・『ジェリンポチェの秘密行状記』やいくつかの祈願文などが読経される。

 これ以外にも半年間毎月8日より30日までの二日間ターラの儀軌に関連したターラ供養の読経が行われ、護法尊殿においては毎日担当の僧侶たちによってマハーカーラ三尊などの慰霊供養と毎月9日より10日までの二日間養生供養とが行われている。チベット暦10月3日より七日間は広く守護尊一般のトルマ供ェ行われ、それを補うものとして護摩供養も行われている。チベット暦10月10日ころより三日間毘沙門天の招財法要が行われ、チベット暦10月20日より獅子面母の開帳供養が三日間行われる。チベット暦12月の年末近くには養生大法要が一日間行われ、大晦日には養生法要の締めくくりをした上で、元旦の朝にはパルデンラモの長寿祈願の大法要が執り行われる。